2020年の東京オリンピック
今朝,2020年夏のオリンピックとパラリンピックの開催都市が東京に決まった!
その瞬間の映像を何度も見せられているうちに,関係者の大変な苦労が報われたことを素直に喜べる私になっていた。ブエノスアイレスで開かれていたIOC総会で、東京招致委員会メンバーら8名の最後のプレゼンテーションの内容は、日本語と英語でMHK News Webに掲載されている。これまでの日本人の演説とは違って,かなり熱い思いを前面に出して,投票権を持つ委員に訴えたことも勝因だと各国メディアは報じていた。ご苦労された方々には同じ日本人として心から敬意を表したい。
しかし,気になるスピーチもあった。東京開催に際して懸念されていた東京電力福島第1原発の汚染水漏れ問題に対する安倍晋三首相の言葉だ。
Let me assure you, the situation is under control.
(私が保障します!事故後の状況は制御されていて順調です)
コントロールされているのは放射能汚染水ではなくて,東京電力から発表される情報と政府の報道統制のことなのか?…と皮肉を言いたくなるくらい,明らかに実態からかけ離れていると日本人なら思うだろう。あそこまで断言するのなら,事故以来ずっと休みなく危険な放射能エリアで働いている人たちや原因や収束が見えない汚染水対策に取り組んでいる人たちを含めて,被災されて故郷に帰れない人々に対して,「夢」や「希望」を与えられる具体的な政治決断をしてもらいたい。
私は,7年後の東京で開かれるオリンピックに出場するアスリートたちを直接に競技会場で観られたらいいなあと思う。しかしそれ以上に,政治的問題を持ち込まないことを原則とするオリンピックという舞台だけれども,大会期間中の8月6日(広島)と9日(長崎)には,世界で唯一原爆投下の被害を受けた日本人が毎年どのようにこの日を送り,世界平和を願っているのかを,世界の人々へ発信する機会になればいいのになあと願っている。
そして,「東京は福島から250km離れていて被害はない」と言い放つ東京招致委員会の理事長さんや,「福島近海でのモニタリング数値は最大でも世界保健機関の飲料水の水質ガイドラインの500分の1だから安全…」などと現場の深刻な状況を他人事のように語る“東京”の政治家さんとは別の目線に立って,これからのエネルギーを国境を越えてみんなで考えるきっかけを生み出したいと考えている。
世界中の人々を安全で感動あふれるオリンピックの舞台にお招きすると同時に,日本に起きた事実をしっかり理解してもらい,一緒に未来を考えていくネットワークを拡げていくことが,アスリートとして出場できない私たちオジンの役割のひとつかも知れない。
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