英国王室のロイヤルベビー
イギリス王室のニュースに世界中が湧いた。キャサリン妃(31歳)が22日に将来の英国王となる男児を無事出産した。ウィリアム王子は特別病棟で出産に立ち会ったというが,翌日には病院前から自らハンドルを握って妻子を車で連れて行く場面が報道された。今回誕生したプリンスは,祖父のチャールズ皇太子,父のウィリアム王子に次いで王位継承順位が3位となる。キャサリン妃とウィリアム王子は「普通の子育て」をしたいと,王室の伝統よりも一般国民と同じ目線での育児を主張していて,それが英国民からの人気を高めている。
ちなみに,私はデンマークへ出張する際にはたいてい首都コペンハーゲンにあるアマリエンボー宮殿へ散歩に出かける。八角形の広場の周囲に、4つのロココ様式の建物が配された素敵な建物で,現在は王宮として使われているのに,一般市民も観光客も自由に宮殿の敷地内を散歩できるのだ。この国の女王マルグレーテ2世が在宮している時には宮殿の屋根上に旗が掲げられ,正午から衛兵の交代式が行われるため,その時間帯はさらに観光客が大勢集まる。女王が広場に出て市民とおしゃべりすることもあるそうで,王室と国民との距離感はとても親密だ。デンマーク国民の王室支持率も高く,王室家族が映っている写真の絵ハガキがお土産店に必ず並んでいる。
こうしたヨーロッパの王室と比べて,日本の皇室は「神武天皇」以来の神話と,史実としての歴史が混在する独特の系譜を現代にも継承しているためか,憲法第一条で「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」とされていても,一般国民が親しく近づける存在ではない。皇室に嫁がれたエリートの才女が精神的に病んでしまうことがあるとすれば,周囲の役人が「伝統」をかたくなに守ろうとする発想に見直しを求め,日本人らしい生き方を象徴する一個人として,皇族の一人ひとりの基本的人権を大事にすることを考えてもいいのではないだろうか…。
伝統ある英国王室のロイヤルベビーの誕生に際して,新しい英国流を見せつけられるたびに,あらためてわが国の皇室のあり方を考えるとともに,皇族の方々の真の思いに対して,われわれ国民が無頓着なのではないかと考えてしまった。
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