銅メダルをかけた日韓戦
女子バレーボール選手たちが韓国を破り,28年ぶりに銅メダルを獲得した。選手一人ひとりのこれまでのエピソードを知れば知るほど,このメダルの価値と重みに震えるような感動をもらえる。男子サッカーチームは宿敵韓国に敗れて,銅メダルを取れずに終わった。正直のところ悔しかった。男子サッカーの3位決定戦後、上半身裸になった韓国の朴鍾佑(パク・ジョンウ)選手が、観客席の方に走り、「独島はわれわれの領土」と書かれたボードを掲げてそのままフィールドを駆け回ったことが物議を醸している。韓国メディアが李明博大統領の竹島(韓国名・独島)訪問をめぐる政治的メッセージを強調していたことに呼応する行動だろう。これに対して日本国内でも激しい批判がネット上を駆け巡っている。ツイッターには感情的な差別発言がつぶやかれ,サッカーワールドカップ日韓共同開催(2002)の精神は根底から覆された感がある。残念でならない。
オリンピックが国威発揚,ナショナリズムの強化に利用されることは,国際社会において珍しいことではないけれど,応援する側が勝敗に熱くなりすぎて,選手が必死に自分の生涯をかけて挑戦している舞台を純粋に楽しめずに,他国の選手や国家を侮辱したり罵倒したりする輩がSNSで人権意識を欠く発言をしてしまうのは何とも悲しすぎる。朴選手のパフォーマンスはスポーツマンシップにもとる行為だと思うし,領土侵害には毅然とした態度で臨むべきだと思うけれど,日本が朝鮮半島の人々にしてきた過去の歴史にきちんと向き合ってこなかった実情を思うと,私たちは次の世代に正しい市民感覚を身に付けてもらい,未来型の共生社会を志向する若者を育てていかねばならないと思う。
来週15日の日本の終戦(敗戦)記念日は,朝鮮半島では解放記念日であり,光復節であることをイメージできる日本人が少なくなっている。若い人たちには,いま放映中の映画『道~ 白磁の人』などのいい映画を観て欲しい。国家間の衝突は,政治ではなく人と人との絆が確かな信頼関係を育てていくことを感動的に共感できるのではないだろうか。
スポーツにおける日韓戦が,政治家の政局の道具に利用されたり,大統領選挙の世論操作に利用されたとしても,私たちは隣人との共生を重視し,市民性を高め合う関係づくりを地道に取り組んで行きたいものだ。
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