デンマークの公立学校の参観
デンマークのごく一般的な公立学校=フォルケスコーレに研究仲間をご案内した。学校へのアポイントメントは,私がデンマークへ来るときにはしばしば通訳をするユウミさんにお任せしていたが,彼女のネットワークをお借りして,コペンハーゲンエリアでも最も古い歴史を持つVigerslev Allés Skoleを参観取材することができた。日本の学校であれば歴史的な権威や格式を感じさせるタイプの伝統校なのに,校内の至る所に斬新な発想が取り込まれているあたりに,いっそうデンマークらしさが感じられた。トイレのドアが並ぶ壁面は大胆なスプレーアートのような美術作品のキャンバスと化していて,映画鑑賞もできそうな視聴覚ルームにはふわふわベッドが敷き詰められている。軍隊の兵舎時代から変わらぬ画一的な校舎レイアウトと教室空間に慣れてきた日本人には,こうした自由な発想で環境構成すること自体が難しい。子どもたちには「新しいアイディア」や「ユニークな発想」を要求するのに,教育者側は学習環境に対する“遊び心”が乏しい。子どもたちに「考える」ことを奨励するためには,教員が自ら「考える」ことを態度で示す必要がある…そんな忠告を,デンマークの先生方から諭されている気分になった。
(デンマーク時刻:3月9日22:32)
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