3・11の報道
あれから1年が経った。コペンハーゲンのホテルのテレビをつけてみた。地震発生時刻が近づくごとに,BBCワールドニュースなどでは「3・11」関連の報道が増え,追悼式が始まると完全生中継となった。天皇・皇后陛下が入場され,君が代斉唱のあと,14:46の時報とともに1分間の黙祷…私も部屋で一人黙祷に参加した。野田総理のスピーチと天皇陛下のお言葉など式典の様子がLIVE中継された。テロップには30分以上,「JAPAN DISASTER ONE YEAR ON」と表示され続け,海外メディアの関心の高さを象徴していた。
昨年の今日は,フィンランドのユバスキュラにいて学会発表後のランチタイムに大震災のことを知らされた。すぐにホテルに戻ってインターネットでNHKのニュースをチェックするとともに,海外メディアの報道をショックを受けながら観ていた。そのことは帰国後のブログに書いている。
一年後の今日のBBCニュースでは,上空から福島原発の様子をみつめる前管首相の映像とともに,あのときに政府中枢が何をしていたのか,総理は何を恐れていたのか…などを単独インタビューして編集された映像が流された。福島第1原発でベントの処理がスムーズに行われなかった経緯を,当時の現場作業員の一人が顔を出さないかたちで告白する映像も流された。こんなリアルな報道が日本のテレビや新聞でこれまでにあっただろうか?…と思ってしまう。BBCの特番は追悼式の前後に大変な時間を割いて組まれていたが,おそらく日本の各報道局も総力をあげて報道番組を編成したことだろう。
死者16,000人,行方不明者3,000人という数だけでは理解できない震災による犠牲者たち,今も苦しんでいる被災者たちの日常を,私たちはどのようにすれば同じ日本人として“わかり合える”のかを,報道に依存せずに考えてみたいと思う。
(デンマーク時刻 3月11日 7:35)
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