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2012年1月27日 (金)

エネルギーの懸念-(その2)

ブログ読者のスナフキンさんから,「エネルギーの懸念」に対してメールをいただいた。

 脱原発依存に向かいたいのが、国民の望みなのだと思います。それを口にした人はTVを降ろされ、総理は退任し、菅谷さん講演会は脅しで潰されたりしていて、(それだけが理由ではないにしろ)民主主義はどこへ? 壮大な隠蔽・莫大なマネー、どれだけだまされれば嘘がなくなるの?知恵と研究で代替エネルギーを期待してます。中東の油が来なくなれば、やっぱり原発必要に…ってなるのが、懸念かと…。

 そうですね。原油にたよる火力発電かウランにたよる原子力発電か…という枠組みで考えさせられる「懸念」といった方がいいかな。マイクロソフトの大富豪ビル・ゲイツ氏は,安全な原発の開発研究に資金提供することを発表したが,発送電分離や自然エネルギーによる発電量の買い取りなど,社会システムを変えることを前提にすれば,第3,第4の選択肢が生まれてくるように思う。大事なことは自分で発想してみることでマスコミ報道に流されないことだと思う。
 テレビ番組はスポンサーからの資金提供によって制作されるものだから,反原発がスポンサー企業の営利活動にマイナスになるとすれば,番組降板を言い渡されることは(気分は良くないが)必然かも知れない。私が学生の頃,反原発側の集会に来ていた物理学者はほとんど助手止まりで,教授への昇進ルートを絶たれていたという噂もまんざら外れていない。むかしは大手の新聞社の幹部も,経済界のドンや政治家らと連携して原発推進に邁進していたと,高名な学者が昨年のある宴席で具体名をあげてスピーチしていた。
反原発運動の推進者が企画したという理由で,講演予定だった菅谷さん(松本市長)のもとに脅迫めいた反対意見を送った人たちは,講演を中止に追い込んだことにどんな正義を主張するのだろうか。
 いずれにせよ,マスコミ情報に対しては,情報を受けとる側の思慮が欠かせない。私もこれまで何度かテレビや新聞にインタビューされた内容が出たが,こちらの意図とは違うメッセージに編集されたことの方が多い。話したことの1割未満の部分が「デスク」の意向に従って編集され,時間の都合で事実のほんの一部を切り取って報道するのがメディアだ。

 だから私たちは,自分の目で見て,自分で調べて,自分で考える…ということが大切だ。これまでの日本の学校教育は本人に「問い」もないのに「教え」すぎてきたきらいがある。自分で考える力を教育が奪ってしまいかねない…そんな皮肉なサイクルから抜け出すためにも,エネルギーの将来をみんなで考えることは有意義だし,必要なことだと思う。

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