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2011年10月25日 (火)

友好国トルコでの地震被害

 日本との親交が深いトルコで大惨事が起きている。2日前に,トルコ東部ヴァン(ワン)県で発生したマグニチュード7.2の地震により,広い範囲で建物が倒壊し,大勢の死傷者が出ている。現地では余震が続くなか、トルコ全土から駆けつけた約1,200人の救助隊や軍の部隊が倒壊した建物の下敷きになっている人々を重機などで懸命な救助活動を続けているという。しかし,現地の朝夕の寒さは深刻で,屋外で毛布にくるまって寝るしかない住民の健康状態が懸念されるほか,郊外の村には通信が途絶えたままの所もあり,死傷者数はさらに増えるおそれがある。今回の被災地一帯は,開発が進まない山間部のローカルエリアで,地震が多発する地域であるにもかかわらず,貧しさゆえ建物の耐震補強は進んでいなかった。東日本大震災ではいち早く支援を行ってくれたトルコ政府に対し,日本政府も要請があれば緊急援助を行うとの声明が発表されているが,私もNPO団体とともに救援チームに合流したい気持ちでいる。

 大学生時代にバッグパッカー旅行をしていた頃,私はトルコの人々に助けられた。乗り場がわからず迷っていた私の腕をつかんでバス停まで案内してくれたおじいさん,シャワールームに置き忘れた婚約指輪を送り返してくれたホテルのスタッフさん,動物の鳴き声で肉の種類を教えてくれた田舎のレストランの定員さんたち,西洋と東洋の結節点にあたるガラタ橋の食堂で一緒に客引きをしながら魚料理を愉しませてくれたご主人など,たくさんの日本びいきのトルコ人に私は出会っていた。イスタンブールでは,コーランがどこからともなく流れる夕刻にホテルの屋上のベンチに座り,夕暮れの街に映えるモスクを眺めた時の感動は今でも忘れられない。あまりショッピングには興味の無い私でも,世界中の商人が集まるグランバザールはおもしろすぎた。海外事情を知る貧乏旅行にトライしていた頃,私がもっとも愛着をもった国がトルコだったから,今でも私にとっては特別の思いをもつ国なのだ。

 でも,被災は日本とかトルコとかいうような国単位の問題を超えている。世界中のどこかで,常に自然災害や人災による事故,内戦やテロ事件に遭って苦しんでいる人たちがいる。3.11の被災者の苦難も未だに続いている。自分にできる社会貢献は何なのだろう。

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