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2011年9月15日 (木)

デンマーク初の女性首相

 ノルウェーに来てから,学校統廃合をめぐる教育課題を議論するたびに選挙のことが話題に上った。教育の問題は政治勢力に大きく影響されるということでもある。こちらのメディアは隣国デンマークでの国政選挙の結果をトップニュースで報道しているが,ラスムセン(47歳)首相率いる自由党が最大野党であった社会民主党に破れ,シュミット(44歳)党首が初の女性首相に就任する見通しだという。
 一院制(議員定数は179名)のデンマークの国会は,15日の総選挙の結果,10年ぶりに中道左派の社会民主党が中道右派の自由党から政権を奪還することになった。経済状況の悪化が日本以上に厳しい状況にある欧米諸国においては,失業問題も絡んで反移民感情が高まる一方だったが,7月にノルウェーの極右青年が起こした集団殺人事件が移民排斥思想と直結していると報じられてから,各国の世論は極右勢力を敬遠し始めたのかも知れない。
私がデンマークの教育現場に足を運び始めた2004年には既にデンマーク自由党が政権与党となり,移民の受け入れを制限する勢力の政党票が躍進し続けていただけに,外国人である私としては今回の選挙結果にホットしている。
 ヨーロッパ13ヵ国の人々を対象とした国民満足度調査では,「私の人生は幸せだ」と答えた人の割合は、今回もデンマークが96%を確保して首位をとった。マイノリティの権利も保障し,多様性を大切にしてきた北欧の教育が,今回のデンマークの選挙結果で再びその理念を強調し,画一化しがちな日本の教育のモデルとして存在感を増して欲しいと,私は密かにシュミット首相の手腕に期待している。

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