伏木久始研究室 http://fusegi.cafe.coocan.jp/

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2011年4月 4日 (月)

自粛ムードの中の入学式

 新年度を迎えたものの,震災で被害を受けている人々のことや原発事故による計画停電の影響に配慮して,首都圏の多くの大学などが入学式を中止または延期を決めている。授業開始をゴールデンウィーク後に変更した大学もある。
 こんな中,私は外部講師として授業も一コマ担当している専門学校の入学式に列席し,初めて来賓代表の祝辞を担当した。被災している人々の状況に思いを寄せつつ,私たち一人ひとりが今何をすべきか,何に努力すべきかを考えようと入学生に訴えた。

… 皆さんのすべきことは何でしょうか。決してボランティア活動に参加するだけがミッションではないと思います。かえって迷惑になることもあるからです。被災した人々の苦難や悲しみに無関心にならないこと,自分の言動やメール送信やツイッターに書き込む言葉が,誰にどういう影響を及ぼすのかを考えて生活すること,そして自分の頭と心で「考える」ことが大切だと思うのです。
 ツイッター等に心ない書き込みをする人も残念ながらいますが,海外のメデイアのほとんどは,この大災害時に日本人が暴動を起こすことなく,みんなで助け合っている姿に賞賛の声を報じています。今,世界から日本が注目されていますが,問われているのは政府・行政ではなく,一人ひとりの意識と考え方だと思います。これから多くの人に信頼される人になるためにも,目の前の自分の欲望だけにとらわれず,社会との繋がりを考える人になってください。
 皆さんはやがて成人式を迎え,社会人となります。多くの人は妻となり,母親になることでしょう。そして,PTAの一員となり,地域の人として社会をよりよくしていく大切なメンバーになるのです。その一部として,本校で学んだことを生かした職業に就き,自分の役割を果たすことになるのです。この世に生を受け,世界とどこかで繋がり,自分らしく生きていくその姿に,これから出会っていく子どもたちやたくさんの人々,大切な家族の一人ひとりが,あなたの生き方に影響を受けるのです…。

 入学式の主役たちの目はみんな素敵だった。形式ばかりを教え込む学校的行事の式典には賛成できないこともある私だけれど,やはり日本の入学式にも良さがあるなあと今日は思えた。今年の入学式は,入学するフレッシュマンにとっても,保護者にとっても,そして新しい学生を受け入れる教職員にとっても,特別な意味を持たせた意義深いセレモニーになるに違いない。

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