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2011年3月19日 (土)

海外出張中にみた日本の惨状

 昨日成田空港に着陸し,長野に無事戻った。3月5日に成田空港を発ち,オランダに4泊,フィンランドに8泊して小学校をはじめ教育機関の参観取材や先生方との対談等を盛り込んだ出張日程をこなして帰宅した。フィンランドでの3日目にユバスキュラ大学で開かれた北欧教育学会において研究発表をしたが,予想以上に参会者から質問や共同研究の申込みがあり,嬉しくなって仲間と「打ち上げ」に出ようかと思ったその時だった。インターネットにアクセスしたら,東日本で起きた大惨事のニュースに言葉を失った。

 すぐにホテルの部屋に戻り,部屋のテレビでCNNやBBCの報道番組を,自分のノートパソコンではNHK総合テレビをネットにつないで同時に視聴し始めた。私は何時間そのまま固まっていたのか覚えていない。動けなかった。映画の1シーンじゃないかと疑いたくなるような信じられないような映像が,私の食欲も妨げた。

 妻子とはすぐに連絡がついたが,栃木の実家や関東地方の親族とはしばらく連絡がとれなかったから,眠ることも難しかった。帰りのフライト予定を早めることができず,不安と心配でドキドキしながら学校巡りをしていた翌日からの取材では,出会った人みんなが日本人の私にお見舞いと温かな励ましの言葉をくださった。
 しかし,東京など首都圏に住む友人たちと情報交換をして感じたことは,危機感の持ちようが,海外に居る日本人とは全く違うという点だった。海外にいると,日本国内の避難民に近い目線になりやすいのかも知れない。
 いずれにせよ,亡くなられた方々のご冥福をお祈りし,被災された地区の皆様へのお見舞いを申しあげ,これから私にできること,私がすべきことを,じっくり考えてみたい。

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