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2011年2月14日 (月)

今どきのバレンタインデー

 帰宅前に妻から電話が入った。-「バレンタイン・チョコいくつもらった?」-
今更ヤキモチをやかれることもないだろうと正直に答えると,意外な答えが返ってきた。
-「よかった!今から買いに行かなきゃならないかなあと思ったので…」-
-「○○(娘)が自分で持って行った数より多くのチョコをもらったんだって」-
-「明日お返しにチョコをあげないといけないみたい…」-

 つまり,私がいただいたバレンタインデーの義理チョコは,娘の友達関係を円満にやりすごすために横流しされてしまうわけだ。帰宅すると娘がニコニコしながら手作りチョコを食べていた。今や小学校2年生の子どもたちも手作りチョコをプレゼントし合っていて,それぞれ文字入りだったり模様付きだったり,包装紙に凝っていたり…。お母さんたちもさぞかし大変だろう。本命チョコ,義理チョコ,友チョコ,自分チョコ…。女子同士で交換し合うことも大切な儀礼になっているみたいだ。この連休には長女も東京から帰省したが,彼女はどこにも出かけずにバレンタイン用のお菓子作りに精を出していた。

 みんなが一喜一憂するイベントに水を差すわけじゃないが,お菓子業界等の販売戦略に煽られ過ぎじゃないだろうか。それよりも,一つもチョコをもらえずに帰宅してきた息子の気持ちを思うと,男子校に通っていた高校時代の自分と重なり,なんともせつない気分になるのだ。きっとそれぞれの学校でも,華やかに注目されるタイプの男子の陰で,惨めな気分を態度に表さずに上を向いて帰宅するモテない男子たちが悔しい思いをする。それがもう一つのバレンタインデーだ。妻が焼いてくれたチョコ風味のケーキは,今年も息子の笑顔を誘ってくれていた。

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