チリの人命救出のニュース
「自爆テロで数十人が死傷」,「河川の氾濫で数千人が行方不明」,「地震による建物倒壊で数万人が生き埋め」…などと世界各国から瞬時に悲しいニュースが流れる中,チリ北部コピアポ近郊のサンホセ鉱山の落盤事故で,地下620メートルあまりの地底に閉じ込められていた作業員33名全員が69日ぶりに救出されたというニュースが流れた。関係者の喜びは言葉にならないものだったろう。地中に救助に降りた6名の隊員の功績もたたえたい。
最後に救出カプセル「フェニックス」から姿を見せた現場監督のルイス・ウルスアさんの的確なリーダーシップが,高温多湿の過酷な環境での2ヶ月以上におよぶモグラ生活から帰還を可能にしたとも語られている。チリの「英雄」は世界中のマスコミに注目されているが,救出された作業員全員の今後の健康管理を何よりも優先してほしい。
ところで,わが家の小学2年生の娘も,このニュースについては詳しい。学校の担任の先生が,この事故と作業員救出作戦のことを説明してくださったようだ。地球の裏側にある遠い外国での救出劇に,娘だけでなく世界中の一般市民が関心を寄せていただろう。これほどまでに地球は狭くなったというか,海外のニュースが身近になったことは驚きだ。国境や民族や宗派を越えて,この救出劇をみんなで喜んだように,国際社会の緊張が緩和されて,子どもたちがどんな国へでも仲間をつくりに行ける世の中になってほしいものだ。
それなのに…,政府に不都合な情報に関するインターネット回線を遮断し,ノーベル平和賞を受賞した誇らしいニュースも規制してしまう政府があることも現実だ。私たちの日常はどうだろう?よく考えてみると,日本の子どもたちもその都度本当に考えたい話題や追究したい問題をあきらめ,覚えなければならないと思い込んでいる教科書中心の学習に専念させられているのかも知れない。情報化社会がグローバルに加速するなか,人々の「知りたい」要求が妨害されず,悪意のない知的好奇心に基づく「知る権利」に向上させていくことも教育の大きな役割なのかも知れない。
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