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2010年5月 3日 (月)

憲法記念日

 憲法記念日。わが国のあるべき方向性を明記した基本法の施行日だから国民の祝日なのに,毎年この日は憲法改正をめぐる論議で対立が起きる。戦後のGHQ占領下に圧力を受けて作らされたマッカーサー憲法だと批判する人もいれば,帝国議会での審議経過でかなり日本人の考えも盛り込んだ誇らしい憲法だと肯定する人もいるし,当時の米国が日本の再軍備を不可能にしようとした平和憲法で,今日では安保条約下の日米同盟と矛盾する憲法だと考える人もいる。しかし,国民の大多数はこの憲法問題の賛否を考えることから遠ざかり,ゴールデンウィークの過ごし方にばかり関心が集中しているように思える。わが家がその典型かも知れない。
 いま自由民主党は,2005年の小泉政権当時に発表した「新憲法草案」の見直し作業を進めつつ,憲法審査会の始動を訴えている。同党は,与党時代の2007年5月,安倍政権下で憲法第96条に定められている憲法改正の手続きを整備した「国民投票法」を強行採決で成立させた。その法律が今月18日に施行されることで、憲法改正の法的な準備が初めて整うことになる。憲法改正に積極的な自由民主党は前回の参院選マニフェスト(政権公約)で2010年度国会において憲法改正案の発議を目指すことを公約に書いていたが,憲法改正に消極的な民主党の台頭により実現しなかった。同法の施行を受け,憲法改正原案を審査するための憲法審査会の設置は,憲法改正の賛否とは別に,護憲勢力が反対しようとも将来的には避けられない状況になるだろうが,憲法改正という重大な案件は,決して強行採決することなく,ぜひ国民世論の高まりを受けて十分な議論がなされることを期待したい。
 63回目の憲法記念日を迎えた今日,私はわが子と憲法の話をし損なった。明日にでも憲法の意味を食卓の話題にしようと思う。

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