ハイチ大地震から一週間
ハイチ大地震で親をなくした子どもを引き取り,里親として保護者になる動きが始まっている。オランダはハイチの孤児100人余りを飛行機で国内に迎え入れた。アメリカもハイチ政府と協力して米国人とハイチの子ども約300組の養子縁組を進めているという。パニックに際して,子どもたちを彼ら自身の社会や文化,母語の環境から引き離すことは適切ではないとする批判もあるが,受け入れ側は,一定の条件を満たしていなくても人道的な立場からビザの発給を認める方針だ。これも移民を受け入れてきた歴史が長い国ならではの考え方なのだろうか。
一方,ハイチ大地震で親を失った子どもを対象に,世界各国から養子縁組の申請が殺到しているという。この動きに乗じて,ハイチの病院で子どもが連れ去られる事件が起きていることをユニセフ(国連児童基金)が明らかにした。震災以前から,ハイチでは子どもを人身売買にかける問題が存在していたが,その多くが国際的な『養子縁組市場』につながっていると専門家が指摘している。なんと悲しいことか。
大震災から一週間が過ぎたハイチでは,いまだに救援物資が届かない地域もあり,首都ポルトープランスでは,被災者たちが配給所に棒を持って襲いかかる映像がテレビで放映されていた。地震で倒壊した刑務所からは受刑者約4千人が脱走したらしい。警察は住人を守ることが新たな課題になっているが,4千人いた警察官の半分以上が死傷したり行方不明になっているというから事態は深刻だ。避難民が集うテント村周辺に警察官の姿はまばらで,電力は途絶えたまま復旧していない。略奪が横行し,強姦未遂や殺人未遂事件も起きているという報道もある。また,至る所にごみの山ができ,強い日差しで悪臭がさらにひどくなっているらしい。
こうした事態に日本政府は既に緊急無償資金協力など計5億円近い支援を表明しているものの,国際社会の援助額に占める割合は1.1%に過ぎず,フランス(6.1%)やイタリア(1.7%)より低水準であるため,国連の赤阪事務次長は日本政府に対して支援増額を記者会見で要求した。世界第2の経済大国であると同時に,震災経験の多い日本がハイチの被災者にすべきことはどんな支援なのだろうか?
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コメント
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やっほ~
おひさしぶり~
近いうち会うことがあるかもよ。
そのときはよろしくね~
投稿: KAI | 2010年1月31日 (日) 04時30分