伏木久始研究室 http://fusegi.cafe.coocan.jp/

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2010年1月10日 (日)

寒波と熱波

 今朝から窓の外では雪が舞っている。雪かきも今シーズン何度目になるだろうか。でも,このあたりの雪はさらさらの軽い雪で,晴れれば路上の雪も溶けてしまうからそれほど手はかからない。でも,日本海側の雪国ではそうもいかないから,この時期はさぞかしご苦労される方も多いことだろう。

 目を海外に転じてみれば,韓国ソウルでは今週初めに1907年以来最高記録となる25.8cmの積雪があり,交通機関が麻痺した。中国北京でもこの正月に観測史上最高積雪を記録し,マイナス15度の異例の寒さをマークしているという。連日氷点下の日々が続く北京では,食糧事情も悪化し市民生活にも深刻な影響を与えている。

 一方,南半球では逆に熱波の影響に翻弄されている。オーストラリアではおりからの高温で山火事が頻発するとともに,クリスマス以来の大雨で牧場地帯も水没し,放牧されていた牛や羊もヘリなどで救出される映像がニュースで報道されていた。ブラジルでも年末からの豪雨で地盤がゆるみ,リゾートホテルなどが土砂崩れに巻き込まれる被害が起きている。さらに輸出用の農産物にも深刻な打撃を与えているから,砂糖などの国際価格も高騰し始めた。世界中で同様の自然災害が増えている。これも温暖化現象との関係があるのだろうか?

 こんな事態に国際社会が連携して知恵を絞るというのは残念ながら今はまだ幻想であり,鳩山イニシアチブがCOP15で十分に効果を発揮しなかったばかりか,この自然災害状況に目をつけた投資家たちが,砂糖やカカオ,コーヒーなどの農産物取引価格をつり上げている。自由競争原理を信奉する政治家たちは,人々の暮らしをしっかりみつめて,緩和すべき規制と管理すべき制度をもっと洗い直して欲しいと思う。

 熱波と寒波に苦しむ人々の生活につけこんで,汗もかかずに金儲けを企むビジネスが自由主義経済の勝者になっていくシステムには,国際的にブレーキをかけていくことが成熟社会のあり方なのではないだろうか。

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