Raumaの教会
フィンランドに来て3日目。滞在先のトゥルク(Turku)からバスで90分ほどのラウマ(Rauma)へ移動して、教育学部の学部長をはじめ大学教員との懇談や教員養成課程の授業を参観する機会を得た。また、公立の総合学校(義務教育学校)やフレネ学校(私立)の授業も参観させていただいた。一日のスケジュールをアレンジしてくださり、自ら車を運転して案内してくださったのはリタ先生。この方はとてもユーモラスでエネルギッシュな女性教員だった。取材をサポートしてくださったもう一人のアイリ先生は、とても穏やかで優しさがあふれ出るような素敵な女性で、もうすぐ定年退職を迎える教育心理学系の教授だった。お二人から心のこもった温かな接待を受けたことで、初訪問だったラウマの印象が急上昇した。
それにしても、リタ先生には驚いた。オフィシャルな取材が済んだ後、彼女はご自身の車でラウマ市内をいろいろ案内してくださったのだが、17時頃、お目当ての教会へ着いたものの、すでに扉は施錠されていたから、当然あきらめるものと思っていた。しかし、「フィンランド人の典型」と自認するリタ先生は、敷地内に住む教会の管理人さんと交渉し、特別に教会の扉の鍵等を譲り受けたのだ。
なんと大胆な交渉だろう。そのおかげで、私は思いがけずフィンランドの教会の内部を司祭部屋も含めてじっくり参観できることになった。窓には見事なステンドグラスが繊細な光を放っており、天井のモザイク模様や宗教的な芸術品が並ぶ教会内部にしばらく居ると、信仰心の弱い私でもとても神聖な気持ちになれた気がした。
最後に、町で一番モダンだというお薦めのカフェに入っておしゃべりしたが、来年の9月に再度訪問することを迷わず約束して店を出た。中世の古い街並みを残しているクラシックな町で、木造の家屋が広範囲に並ぶ素敵な場所だったという理由からではなく、案内してくださった先生方や、水面下で私の取材先のコーディネートをしてくださった方々の献身的な対応やご厚意に、私はどうしても再訪問してみたいと思ったのだ。
私にとって、北欧の魅力はいっこうに衰えることがない。
フィンランド時刻 10月27日22時30分
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