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2009年9月12日 (土)

交通手段のハプニング

 ルンドを出て、イェーテボリまで乗り換え一つで移動するはずが、指定席を予約していた列車に乗り遅れてしまった。しかたなく、次のヘルシンボリ止まりの電車に乗って、アンゲルホルム経由で移動することになった。思いがけず、寄る予定もなかったヘルシンボリの港町の写真を撮ることができた。

 ところが、ダイヤにある列車に代わって代替バスが出るということになったのでバス停まで行ってみると、さらに前の列車の代替バスを待つ人の列ができていた。スウェーデン語がわかるKampei君と一緒だったから助かったものの、私ひとりでは途方に暮れていたことだろう。

 しかし、来るはずの代替バスは、30分待ってもバス停に到着せず、車掌らしき係員は携帯電話をかけながら、詰め寄るお客さんに「自分のせいではない」ことを主張しているみたいだった。この間にアナウンスもなければ、臨時の掲示等もないまま、乗客はひたすら待たされ続けた。

 やがて待ちに待ったバスが到着し、予定になかったハイウェードライブで農村の景色を楽しんだ。乗り継ぎの電車がアンゲルホルム駅で待機してくれていたから助かったが、時間通りに出発されていたら、私たちはイェーテボリにたどり着くころにはドロドロに疲れていたことだろう。イェーテボリまでの約2時間の車窓では、風力発電の塔が並ぶ畑地帯や湖畔にたたずむ別荘地群など、北欧ならでは風景をたくさん楽しむことができた。

 私の失敗とハプニングが重なった珍道中であったが、休日移動日のささやかなレジャーとなった。素敵な風景を私のデジカメにたくさん記録することができた。そして、…この交通機関のトラブルに遭遇した人々の対応が、それぞれ異なっている姿も興味深かった。インド人の商社マン風の人、中国系のキャリアウーマン風の人、楽器を持ち運ぶヨーロッパ系の音楽家らしき人々…、急いでいる状況にもよるだろうが、「待ち方」を観察していた私は、彼らから見ればそうとうのんきな暇人に見えたことだろう。いずれにせよ、皮肉に聞こえるかも知れないが、日本の交通機関のトラブル対応が、この国と比べるといかに誠実かもあらためて実感した。

(スウェーデン時刻 12日22時)

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