甲子園のドラマ
「歴史に残る驚異的な粘り」,「4,041校の頂点を決めるにふさわしい試合」,「史上最強の準優勝だ!」…などの見出しがインターネット上のスポーツニュースを飾っている。今夏の高校野球大会の決勝戦の最終回があまりにドラマチックだったからだ。今ならまだネット上の「イニング動画」→ http://koshien.asahi.co.jp/inning/data/20090824/1/20090824-1-16i.htmlで観られる。
中学まで野球部員だった私も,先輩が甲子園に出場した際に,アルプススタンドまで応援に行ったことがある。野球少年にとっては,まさに夢の舞台がそこにある。新潟県代表の日本文理のキャプテンは,「最終回はまさに自分たちの野球。最高の声援を聞けた。この仲間と野球ができてよかった」と胸を張った。6点差の九回2死走者なしから始まった猛反撃は、あと1打で同点という瀬戸際まで中京大中京のナインを追い詰めた。最後の打者の強烈なライナーは,三塁手のグローブに収まってゲームセット。球場に駆けつけていた観客も,テレビで観戦していた全国の高校野球ファンも,勝負をあきらめずひたむきに戦い続ける選手たちの全力プレーに,計り知れない勇気と感動を与えたことだろう。
私は,この試合で中京大中京のセンターの超ファインプレーが,勝負の流れに大きなインパクトを与えたと思う。
日頃から実践レベルの高い意識をもって練習していない限り,まぐれでもあんな捕球はできまい。もう一人,最終回に代打で出場した石塚君が打ったヒットにも私は熱くなった。ずっと試合に出られないでいる補欠選手の立場が長かった私としては,ベンチで控えていた選手が,試合終了前に出してもらった打席で,奇跡的な追い上げをする原動力の一人になったことがことのほか嬉しい。
全国から特待生として有望選手を集めてくる私立学校が多い中,この新潟の日本文理は,東京などから数名の選手が自力で入部してくる以外,ほとんどが地元の出身者だそうだ。チームワークのレベルの高さも,そんなところにあるのかも知れない。今回の準優勝が宣伝効果を生み,この私学にも全国から球児が殺到する可能性もあるが,ぜひ高校生たちも幼い頃からの地元の顔なじみの人たちの応援を力に,地域密着型の学校生活と地域生活を学ぶ中で甲子園をめざしてもらいたい。
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