伏木久始研究室 http://fusegi.cafe.coocan.jp/

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2009年5月21日 (木)

新型インフルエンザの影響

 ついに日本にも新型インフルエンザが上陸した…と心配したのもつかの間、国内の感染者の数は連日増え続けている。大阪や兵庫、滋賀では学校の臨時休校が通達され、人々が大勢集まるイベントも中止が相次いでいる。コンサートやスポーツ観戦くらいならあきらめもつくが、結婚披露宴の予定がある人は「マスク」の人々に祝福されることになるのだろうか?今日、旅行業界の代表者も国土交通省で記者会見し、「新型インフルエンザの影響で、18-20日に修学旅行などの宿泊キャンセル被害が近畿2府4県で約43億円に達した」と語ったらしいが、関西からの体験型修学旅行生を受け入れてきた白馬村でも、この影響で数千人分の予約がキャンセルされ、経済的な打撃は深刻だという。

 私は中高生の運動部の顧問をしていた時間が長いので、この時期の地区予選や選抜大会などの日程が変更されることで、試合会場の手配は混乱するだろうなあとか、遠征先のホテル予約はどうなるんだろう?とか、選手にしても、学校の中間考査やキャンプや遠足等の学校行事と重なることになりかねず、気の毒だなあ…などと思いを巡らすのだ。学校が「一週間休校」といわれても、おそらく一般の人は、先生たちも楽ができるくらいにしか思っていないだろうが、一週間のスケジュールがすべてつぶされた教師たちは、その後の数ヶ月にどれだけ無理をして学校運営をやらねばならないのか…想像するだけで私はつらくなる。授業の予定もせっかく地域のイベントや季節の風物詩に合わせて組んでいたのに…。あの子を生かす授業を時間をかけて準備してきたのに…、公開研究授業を控えて全員で地域調査を予定していたのに…。などなど、挙げればきりがないほど、先生たちのため息が聞こえてきそうだ。修学旅行だって、最近は事前学習や事後の「まとめの学習」との関連で明確な目的をもった企画にするのが常識なので、授業としても簡単に「中止」とするわけにはいかないのだ。でも、日程がずれてしまうと、一年前から予約を取って準備してきたすべてのスケジュールが「やり直し」となる。どう対応するのだろうか?

 とにかく日本の学校教育は、日々複雑にスケジュールが入り組んでいるから、感染者・範囲の拡大に伴って学校の休校措置が広がっていくことにでもなると、学校の教育課程は大きく揺れ動いてしまうことになる。学校関係者は祈るような気持ちで新型インフルエンザの沈静化を見守っているところだろう。

 明日、息子が通う学校には、全国から650名ほどの事前予約者が研究授業の参観に訪れるようだが、新型ウィルスを運び込む参観者がいないことを心から願いたい。

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